2ヶ月
あの子に会わず、話もしない2ヶ月が過ぎた。
そんなことはこれまでもあった。
半年一年会わないような年もあった。
でもこの世界のどこかにはいた。
電話をすれば声を聞けるような気がするけど、
家に行けばそこにいるような気がするけど、
どこにもいない。
あんなに笑ってた子だったのに、
あんなに友達がたくさんいて、
あんなに遊びまわって、旅行も行って、
人に好かれて、みんなの輪の中にいて、
病気や死からあんなにほど遠いところにいたのに。
どうしてこんな子が、こんなに早くに、
この世のどこにもいないなんてことになってるんだろう。
そんな話は世の中のあちこちに転がってて、
特別なことでもなんでもないけれど、
わたしにとってはありえないこと。
もう会えないなんて、
会いたいと思っても会えないなんて、
声を聞けないなんて、
いつか声の記憶も薄れていくなんて、
わたしが年をとっても、
いつまでも写真のままの笑顔だなんて。