一抹の寂しさ
新しいところに移って三週間。
同じ組織、同じ仕事だけど、
これまでの気楽で自由にやれた場所とは違う。
分かっていたはず。
なのに、日が経つにつれ、増えていく。
ああ、こういうことかという実感。
小さな失望が重なっていく。
機械的に進んでいく物事の、
とても小さいネジなのだということが、
目の前にハッキリ見えてくる。
歯車でさえない、小さいネジ。
分かっていたことだけれど、
ああ、こういうことなのか。
春の休日、山を歩いて寺に行く。
引いたおみくじには、小吉の文字。
「すべて順調だが、その中に一抹の寂しさが混じる」
安定が必要で、今の場所に移るために頑張ったけど、
競争をくぐり抜けてたどり着いたけど、
たどり着けて順調だけど、
一抹の寂しさ。
ああ、そうだ、本当だ。
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